こんにちは!まりもスターです。
「子どもが大人になったとき、お金についてどんな言葉を残してあげられるだろう?」——そんなことを考えさせられる一冊に出会いました。経済評論家・山崎元さんが、大学に進学した息子さんに宛てて書いた実際の手紙をベースにした『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』です。
山崎さんは2022年に食道癌を患い、本書のあとがきを書き終えた直後の2024年1月1日に旅立たれたそうです。だからこそこの本には、お金の話にとどまらない「これからを生きる若い世代への遺言」のような重みがあります。子育て中の身としても、いつか子どもに伝えたい価値観がぎゅっと詰まっていたので、今日はその中身をまとめてみますね。
「昭和の働き方」はもう非効率。株式性の報酬を狙え
本書がまず突きつけるのは、「大企業に入り、出世して労働時間を高く長く売る」という昭和的な働き方への疑問です。不自由な割にリターンは中金持ち止まりで、コストパフォーマンスが悪いと山崎さんは言い切ります。
代わりに勧めているのが、次の2つのマインドセットです。
- 常に適度な「リスクを取ること」
- 他人と異なることを恐れず「工夫をすること」
大金持ちの資産の多くは、時間を切り売りした給与ではなく「株式」によって作られている、というのが本書のポイント。起業やベンチャー企業への参画、ストックオプションをくれる会社で働くことを通じて、株式(成功報酬)に連動する形でお金を稼ぐ発想を持とうという提案です。
不動産投資や信用取引、暗号資産といった借金を背負うレバレッジは危険なギャンブルとバッサリ。一方でベンチャーなどで働いて「クビ(失敗)」してもコストは小さく、借金が残らない——だからこそ、株式性の報酬を目指す働き方こそ、個人が取れる最も有利で安全なレバレッジだ、という論理には経理の仕事をしていても納得感がありました。
資産運用の答えは「オルカン一択、あとは持ち続けるだけ」
家計や資産形成に関心がある方が一番気になるのはここかもしれません。本書は資本主義経済を「リスクを取りたくない人間から、リスクを取ってもいい人間が利益を吸い上げる仕組み」と表現したうえで、個人が効率よくお金を増やす方法を、驚くほどシンプルに提示しています。
- 生活費の3〜6カ月分は普通預金に取り分ける
- 残りの運用資金は、手数料が極めて安い「全世界株式のインデックスファンド(通称オルカン)」に全額投資する
- 一度買ったら売り買いせず、じっと持ち続ける(バイ・アンド・ホールド)
手数料は「確実なマイナスのリターン」なので、対面型の金融機関はカモにされるだけと避け、人間のセールスマンと接触せずに済む大手のネット証券を使うことを勧めています。市場平均に勝てない「アクティブファンド」や、保険会社だけが儲かる仕組みである「保険(がん保険なども含む)」も不要という主張は、賛否が分かれるところかもしれませんが、我が家の保険の入り方を見直すきっかけになりました。新NISAで積立を始めたばかりという方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

「人材価値」の高め方——2年やってみて向き不向きを判断する
本書は、人生の豊かさを決める主因は働き方であり、自分の「人材価値」を中心にキャリアを組み立てるべきだと説きます。人材価値は次のようなシンプルな式で表現されています。
人材価値 =(能力+実績)× 持ち時間
年齢を重ねる(持ち時間が減る)ほど人材価値は低下するため、若いうちに能力と実績を獲得する必要がある、という考え方です。
最初の仕事は「興味が持てて、倫理観に反しないもの」を選び、どんな分野でも2年間集中的に努力すれば素人と違うレベルに達するので、そこで向き不向きを判断すればいいというアドバイスも、これから就職・転職を考えるお子さんに伝えたい言葉だと感じました。ちなみにキャリアの年齢基準として、20歳までに専門分野の方向性を決め(試行錯誤は28歳が限界)、35歳までに人材評価を固め、45歳からはセカンドキャリアの準備を始める、という具体的な目安も示されています。
資格取得でキャリアの土台を作りたい方は、こちらの記事も参考になるはずです。

幸福の正体は「自己承認感」だけ
お金や働き方の話が中心の本書ですが、最後にたどり着くのは「幸福論」です。山崎さんいわく、人の幸福感のほぼ100%は「自分が他人に承認されているという感覚」でできているとのこと。
一つの組織(会社など)に没入しすぎると簡単に他人にコントロールされてしまうため、会社の外にも複数の「居場所」を意識的に持つこと。そして働き方や趣味、恋愛などにおいて他人より「2割増しの自由」を複数組み合わせることで、掛け算のように自由な人生が広がる、という考え方が印象的でした。幸福感は日常の一日一日、その瞬間に感じるものであり、過去を振り返る「通算成績」で測るものではない、という締めくくりの言葉は、子育てで忙しい毎日を送る身にも刺さるものがあります。
お金の使い方そのものが幸福感にどう影響するかをもっと深掘りしたい方には、こちらもおすすめです。

まとめ:子どもに伝えたい「お金と生き方」のロードマップ
『経済評論家の父から息子への手紙』は、資産運用の具体的なノウハウ(オルカン一択でバイ・アンド・ホールド)から、働き方のマインドセット、人材価値の高め方、そして幸福の定義まで、一冊でお金と人生の全体像を学べる本でした。
「モテる男になれ。友達を大切にせよ。上機嫌で暮らせ!」という著者の言葉どおり、堅い話だけでなく人間関係のアドバイスまで盛り込まれているのも本書の魅力です。子どもが独り立ちする前に、あるいは自分自身の働き方・資産形成を見直すタイミングで、ぜひ手に取ってみてください。

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